公開シンポジウム

2022年12月15日

現代における宗教の役割研究会 オンライン講演会

「現代における宗教の役割研究会」(通称:コルモス)の講演会をご案内いたします。この研究会は宗教者と研究者がともに現代における宗教の役割について議論し合うという趣旨でつくられたものです。昭和 46 年(1971 年)に第 1 回が開催され、今年度で第 69回⽬。今回も感染症拡⼤防⽌の観点からオンライン講演会にいたします。

現代における宗教の役割研究会 オンライン講演会
総合テーマ「宗教と政治 ―新たな公共空間形成のために―」

日時:2023年(令和5年)3月14日(火) 13:00-17:00 (Zoom Open12:45)

開会挨拶:大谷光真(コルモス研究会会長)

趣旨説明:島薗進(コルモス研究会副会長)

コメンテーター:岡田真水(兵庫県立大学名誉教授)

講演

講演1 カトリック大阪大司教区神父 ロッコ・ビビアーノ 氏

講演2 金光教春日丘教会長 三宅 善信 氏

2022年2月にロシアがウクライナに侵攻し、長期化する新たな戦争に憂慮する日々が続いています。そして、この戦争において宗教が一定の役割を果たしていることも学ばざるをえませんでした。ロシアのプーチン大統領がロシア正教会と深い関わりをもっていること、ウクライナの正教会とロシア正教会との間に葛藤があること、そもそも東方正教会の伝統では国家と宗教が一体になりやすいことなども学びました。

また、同年7月8日には安倍元首相が銃撃によって殺害されましたが、犯人の主要な動機は旧統一教会という宗教団体への恨みであること、旧統一教会が教団活動を通して人々から激しい収奪を繰り返してきたこと、多くの政治家がこの教団を支持したり友好関係にあったこと、問題が多い宗教活動にお墨付きを与えるような結果を招いてきたことなどが明らかにされました。

この二つの事柄は、現代における宗教と政治の関わりについて、新たに考え直すことを私たちに促しているように思われます。どちらの例でも、宗教と政治のあまり好ましくない関係が露わになっています。それは、宗教と政治が公共空間を歪めるような形で結びついている事態とも言えるでしょう。民主主義が機能不全に陥る過程と、宗教がもたらす対立や葛藤が際立つ過程が並行しているようにも感じられます。

かつて政教分離が求められ、世俗化が進み、それがさらに進んでいくはずだと考えられた時代がありました。ところが今や公共空間で、新たな形で宗教の存在が目立つような時代になってきています。1970年代の終わり頃から、イランでイスラーム革命が起こり、世界各地でファンダメンタリズムや宗教右派の勢力が注目される時代となりました。他方、カトリック教会や世界宗教者平和会議が核兵器禁止条約を押し進める活動に協力したり、社会参加仏教(エンゲイジド・ブディズム)に期待が寄せられたりもしています。日本でも政治における宗教の影響が話題になる機会が増えています。

こうしたなかで、宗教と政治の関わりをどのように考えていけばよいのでしょうか。宗教は政治に関わらないという姿勢を堅持すべきなのでしょうか。公共空間を閉塞させるのではなく、活性化させるような方向への展開に宗教はどう関わっていけるのでしょうか。日常の宗教活動において、こうした問題にどう関わっていくのが良いのでしょうか。

「現代における宗教の役割」をともに考えてきたコルモス会議です。今年度は、「宗教と政治―新たな公共空間形成のために-」と題して、以上のような問題に取り組みます。

申込方法【定員100名】

申込みフォームからお申込ください。

申込期限:3月6日(月)
1申込につき1名さま
なお定員になり次第、締め切る場合があります。

開催前にZoomの接続U R Lを、申込Eメールアドレスまでお送りします。

連絡先:
〒600-8349 京都府京都市下京区堺町九十二 浄土真宗本願寺派 総合研究所内
「現代における宗教の役割研究会」本部事務局 TEL 075−371−9244