公開シンポジウム

現代における宗教の役割研究会 公開講演会

「現代における宗教の役割研究会」(通称:コルモス)の講演会をご案内いたします。

この研究会は宗教者と研究者がともに現代における宗教の役割について議論し合うという趣旨でつくられたものです。

昭和 46 年(1971 年)に第 1 回が開催され、今年度で第 71回⽬。同志社大学今出川キャンパスにて公開講演会を開催します。

総合テーマ「AI時代における宗教」

今年のテーマは「AI時代における宗教」ということになりました。AIの発展は目覚ましく、一般市民の生活のさまざまな局面にその影響は及んでいきつつあり、その勢いはこれ以後、加速度的に増していくことが予想されます。

「チャットGPT」のような簡単に使える生成AIが急速に普及していますし、企業もAIの活用による仕事の様態の変化に適用しようと積極的に取り組んでいます。

自動車の自動運転の技術はどんどん向上しており、早々に無人運転が可能になることを期待する人も多いことでしょう。

仏教に関わるさまざまな質問にAIが答えを出してくれるブッダボットも使ってみたいという人は多いかもしれません。死んだ人に話しかけるとその人らしい応答をしてくれるようなAIプログラムの開発も進められています。

こうしたAIの発展は、経済効率を高めてくれたり、労働力不足を補ってくれたり、これまでには得られなかったさまざまな楽しみを提供してくれる可能性があります。貧困や社会的対立を和らげるために用いられることに期待をかける人もいることでしょう。

しかし、 AIがもたらすものに人道上の、また倫理的な問題があるという懸念も投げかけられています。たとえば、AIが作動させる無人兵器が倫理的な責任を感じることなく敵とされる人を殺すことが増えるでしょう。自動運転の自動車は事故を減らすことが期待されていますが、事故を起こしたときに誰が責任を負うのかという大きな問題があります。

生成AIが作る文章には、嘘や憶測が含まれていることがありそれを是正することは容易でないとされます。そのようなAI情報を厳密適正な判断が求められるときに用いることは、倫理的に許されることなのでしょうか。ブッダや愛する死者の言葉を生成AIが語るとなれば、その問題点は深刻になります。

人間に機械や機械処理された情報がとってかわるというような事態を、宗教はどのように受け止めるのでしょうか。すでに生成AIを教団活動においてどのように進めていくのかといった検討が行われている例もあるかと思います。

一方、宗教こそが社会が直面するこうした問題に応答することを求められているという受け止め方もあるでしょう。こうした問いに答えるのは容易なものではありません。しかし、答えを求めずに済ますことができるものでもありません。

今回のコルモス会議では、この問題に答えていくための、現段階での模索を出し合い、今後の探求をどのように深めていくか、ともに考えていきたいと思います。「AI時代における」という題は以上のような意味で提示されたものです。

日時2025(令和7)年 2月28日(金) 13時より
挨拶大谷光真氏(前コルモス研究会会長)
趣旨説明島薗進氏(コルモス研究会会長)
講演者才脇直樹 氏(奈良女子大学教授)「AIとはなんだろう」
師 茂樹 氏 (花園大学教授)「仏教から見たAIの諸問題: 生命・環境・死者」
コメンテーター石田友梨氏(岡山大学准教授)
司会小原克博氏(同志社大学学長)
会場同志社大学 今出川キャンパス 良心館地下1教室
京都市上京区今出川通り烏丸東入
(京都地下鉄烏丸線「今出川」駅から徒歩一分
入場料無料 一般来聴歓迎
お申込み【定員100名】申込フォームからお申込ください
申込期限2月20日(木)
1申込につき1名さま
なお定員になり次第、締め切る場合があります。

連絡先:
〒600-8501 京都府京都市下京区堀川通花屋町下る本願寺門前町 浄土真宗本願寺派 総合研究所内
「現代における宗教の役割研究会」本部事務局 TEL 075−371−9244